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GLM-5.2とは|GPT-5.5を上回るオープンモデルの性能と使い方

GLMオープンウェイトモデルZ.ai
GLM-5.2とは|GPT-5.5を上回るオープンモデルの性能と使い方

GLM-5.2とは(Z.aiのオープンウェイトモデル)

GLM-5.2とは、Z.ai(旧Zhipu AI・北京)が2026年6月17日に公開した、長時間タスク向けの大規模言語モデルです。最大の特徴は、学習を終えたモデル本体(AIの中身にあたるデータ一式で、専門的には「重み(ウェイト)」と呼びます)が、そのまま配布される「オープンウェイト」である点にあります。しかも制約の少ないMITライセンスで提供されます。つまり、誰でもこのモデル本体をダウンロードして自社サービスに組み込んだり、用途に合わせて作り変えたりできる点が、ChatGPTやClaudeのような中身が非公開のモデルとの決定的な違いです。

GLM-5.2 の主なスペック(公式)

開発元
Z.ai(旧 Zhipu AI・北京)
公開日
2026年6月17日
総パラメータ
753B(MoE=混合エキスパート)
コンテキスト
最大100万(1M)トークン
ライセンス
MIT(商用利用・改変が可能)
提供形態
オープンウェイト(Hugging Face / ModelScope で配布)

総753BのMoEとIndexShareの仕組み

GLM-5.2は総パラメータが753Bにのぼる巨大なモデルですが、MoE(混合エキスパート)という方式をとっています。MoEとは、巨大なネットワークのうち入力に応じた一部だけを動かす仕組みで、全パラメータが毎回計算されるわけではありません。報道では1トークンあたり約40Bが稼働するとされ、サイズの割に動かしやすくしています。さらにGLM-5.2は「IndexShare」という新しい仕組みで、100万トークンという長文でも1トークンあたりの計算量を約2.9倍削減しています。

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We propose IndexShare, which reuses the same indexer across every four sparse attention layers, reducing per-token FLOPs by 2.9× at a 1M context length. — アーキテクチャ「IndexShare」の記述より(総パラメータはモデルカードに「753B params」と別記)

1Mトークンの長文対応とMITライセンス

GLM-5.2は、一度に扱えるテキスト量(コンテキスト)が最大100万トークンに達します。これは長いコードベース全体や大量のドキュメントをまとめて読み込ませても、文脈を保ちながら作業を続けられる規模です。長時間にわたるコーディングやエージェント的な自律実行を安定して走らせることを狙って設計されている点が、GLM-5.2の核です。訓練にはZ.aiが開発するRLフレームワーク「slime」が使われ、学習から大規模な推論実行までを一貫して支えています。

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slime serves as an integrated infrastructure layer from training to large-scale inference rollout. — 訓練フレームワーク「slime」の役割に関する記述より

GLM-5.2の性能とGPT-5.5の比較

GLM-5.2が注目を集めた最大の理由は、コーディング性能でクローズドな最上位モデルに肩を並べた点にあります。ただし「GPT-5.5超え」と一括りにするのは正確ではありません。公式が公開したベンチマーク表を見ると、勝っている項目と負けている項目がはっきり分かれています。

主要コーディングベンチマークの比較(公式モデルカードの数値)

数値は100点満点換算のスコア。青=GLM-5.2/グレー=GPT-5.5/黒=Claude Opus 4.8。Terminal-Bench は Terminus-2 ハーネス基準。出典: Z.ai 公式モデルカード。

SWE-bench Pro(GLM-5.2が勝利)

GLM-5.262.1
GPT-5.558.6
Opus 4.869.2

Terminal-Bench 2.1(GPT-5.5が上)

GLM-5.281.0
GPT-5.584.0
Opus 4.885.0

FrontierSWE(GLM-5.2がGPT-5.5を上回る)

GLM-5.274.4
GPT-5.572.6
Opus 4.875.1

コーディングでGPT-5.5を上回る項目

GLM-5.2は、長時間のコーディングを評価するSWE-bench Pro(62.1対58.6)とFrontierSWE(74.4対72.6)で、GPT-5.5を上回ります。オープンウェイトのモデルがクローズドな最上位モデルの一角を実際のコーディングベンチで超えたのは、これが初めてに近い出来事です。米VentureBeatも、GLM-5.2が複数の長時間コーディングベンチでGPT-5.5を上回ったと報じています。

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SWE-bench Pro: GLM-5.2 62.1 vs GPT-5.5 58.6. FrontierSWE: GLM-5.2 74.4 vs GPT-5.5 72.6. — 公式ベンチマーク表(Coding カテゴリ)より

Terminal-BenchとSWE-bench Pro最高はOpus 4.8

一方で、すべての項目で勝っているわけではありません。Terminal-Bench 2.1ではGPT-5.5(84.0)がGLM-5.2(81.0)を上回り、SWE-bench Proの最高スコアはClaude Opus 4.8(69.2)です。ただしTerminal-Benchはハーネス(実行環境)の条件で順位が変わり、別の集計ではGLM-5.2がOpus 4.8を上回る結果も報告されています。GLM-5.2の正確な位置づけは「全ベンチで王者を倒した」ではなく「いくつかの主要なコーディング指標で最上位級に並んだオープンモデル」です。この区別を押さえておくと、過度な期待による失望を避けられます。

デザイン性能ではClaude Fableを上回る

コーディング以外でも評価されています。デザインの良し悪しを競うDesign Arenaでは、GLM-5.2がClaude Fable(Fable 5)を上回ったと報告されています。最初のプロンプトで返ってくる成果物の見栄えという、ユーザーがすぐ体感できる部分での評価が高い点も、GLM-5.2が話題になった理由のひとつです。AI研究者のNathan Lambert氏も、コーディング環境で汎用エージェントとして自然に使える初のオープンモデルだと評しています。

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GLM-5.2 is the open weight model that feels right in coding harnesses as a general agent. It's the first one. — GLM-5.2の位置づけに関する分析より

GLM-5.2の料金とClaude Codeでの使い方

性能と並んで注目されたのが、コストの安さです。VentureBeatは、GLM-5.2がGPT-5.5の約6分の1のコストで同水準のコーディング性能を出すと報じています。オープンウェイトであること自体に加えて、API利用や定額プランでも割安に使える点が、開発の現場で乗り換えを検討する動機になっています。

GPT-5.5と比べたコストの目安(報道ベースの概算)

GPT-5.5を100としたときの相対コスト。GLM-5.2は約6分の1との報道に基づく概算で、実際の費用は利用形態で変わります。出典: VentureBeat ほかの報道。

GLM-5.2約1/6
GPT-5.5100(基準)

GPT-5.5の約6分の1というコスト

GLM-5.2はモデル本体(重み)が無料で配布されるため、自前のサーバーに置いて動かせば、追加のモデル利用料はかかりません。Z.aiが提供するコーディング向けの定額プランでは、利用が混み合う時間帯は通常の3倍、空いている時間帯は2倍の消費という形で課金されます。なお公式ブログでは、2026年9月末まで空き時間帯の消費を1倍に抑える期間限定の優遇も告知されています。自前運用なら利用量に応じた追加料金が原理的に発生しない点が、クローズドなChatGPT系モデルとの大きなコスト差につながります。

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Consumes 3× during peak hours and 2× during off-peak hours. — コーディングプランの消費レートに関する記述より

Claude Code・ZCode・OpenCodeでの使い方

GLM-5.2は、主要なコーディングエージェントから利用できます。Claude Code、Z.ai純正のZCode、OpenCodeなどが対応しており、使い慣れたツールのなかでモデルだけを差し替えられます。

Claude Code で GLM-5.2 を使う手順

Step 1
Z.ai のコーディングプラン(またはAPI)を契約する
Step 2
Claude Code でモデル名を「GLM-5.2」に切り替える
Step 3
100万トークンを使うときは「GLM-5.2[1m]」と指定する
Step 4
思考の度合い(effort)を High または Max に設定する

実際にClaude Codeを実務の中核に据えている立場から見ても、同じツールのままモデルだけを試せる意味は小さくありません。手元の作業フローを変えずに、コストと性能のバランスが違うモデルを差し替えて比べられることが、オープンモデルが増えた最大の実利です。

GLM-5.2のメリットと注意点

最後に、GLM-5.2を選ぶかどうかを判断するための要点を整理します。強みははっきりしている一方で、巨大なモデルゆえの現実的なハードルもあります。

GLM-5.2 を選ぶ前に押さえる要点

向いている
長時間のコーディングやエージェント用途、コストを抑えたい場合、自前環境で動かしたい場合
注意したい
総753Bと巨大でローカル運用のハードルが高い、すべてのベンチでGPT-5.5やOpus 4.8を上回るわけではない

オープンウェイトで自前運用できる強み

GLM-5.2の最大の強みは、MITライセンスでモデル本体(重み)そのものが手に入ることです。社外にデータを出せない業務でも自前のサーバーで動かせますし、用途に合わせて改変・微調整もできます。特定のAI提供元に依存せず、料金体系や提供終了に振り回されないという安心感は、業務で長く使うほど効いてきます。こうしたオープンな選択肢は、ソブリンAIやオープンウェイトモデルへの関心の高まりとも重なります。

巨大モデルゆえのローカル運用の注意点

一方で、総753Bという規模は個人のパソコンで気軽に動かせるものではありません。実際に自前で動かすには相応のGPU環境が必要で、多くの利用者にとってはAPIやチャット経由が現実的な入り口になります。「オープンウェイト=誰でも手元ですぐ動く」ではない点は、導入前に正しく理解しておきたいところです。まずはZ.aiのチャットやClaude Code経由で性能を確かめ、必要に応じて自前運用を検討するのが無理のない進め方です。

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GLM-5.2は、オープンウェイトでありながら一部のコーディングベンチでGPT-5.5を上回った、節目となるモデルです。すべての指標で最上位というわけではありませんが、コストを抑えつつ長時間のコーディングを任せられる選択肢が、クローズドモデルと並ぶ形で手に入った意義は大きいといえます。用途に合うかどうかは、まずチャットやAPI経由で実際の応答を試してから判断するのが手堅い進め方です。長時間のコーディングやエージェント用途で、料金を抑えたい開発者にとっては、有力な候補に挙がる一本になりました。

よくある質問

Q. GLM-5.2は無料で使えますか?
GLM-5.2はMITライセンスのオープンウェイトモデルで、Hugging FaceやModelScopeからモデル本体(重み)を無料でダウンロードでき、商用利用も可能です。ただし総753Bと巨大なため、自分のパソコンで気軽に動かせるものではありません。手軽に試すならZ.aiのチャットやコーディングプラン、Claude CodeなどのAPI経由が現実的です。
Z.ai 公式ブログ(GLM-5.2: Built for Long-Horizon Tasks)
MIT open-source license — no regional limits Z.ai 公式ブログ(GLM-5.2: Built for Long-Horizon Tasks)
Q. GLM-5.2はGPT-5.5より高性能ですか?
コーディングのSWE-bench ProとFrontierSWEでは、GLM-5.2がGPT-5.5を上回ります。一方でTerminal-Bench 2.1ではGPT-5.5が上で、SWE-bench Proの最高スコアはClaude Opus 4.8です。すべてのベンチでGPT-5.5やOpus 4.8を超えるわけではなく、長時間のコーディングで肩を並べるオープンモデルという位置づけです。
Z.ai 公式モデルカード(ベンチマーク表)
SWE-bench Pro: GLM-5.2 62.1 vs GPT-5.5 58.6. FrontierSWE: GLM-5.2 74.4 vs GPT-5.5 72.6. Z.ai 公式モデルカード(ベンチマーク表)
Q. GLM-5.2はClaude Codeで使えますか?
使えます。Claude CodeやZCode、OpenCodeなどのコーディングエージェントが対応しており、モデル名に「GLM-5.2」を指定して切り替えます。100万トークンのコンテキストを使うときは「GLM-5.2[1m]」と指定し、思考の度合い(effort)はHighまたはMaxを選べます。
Z.ai 公式ブログ(GLM-5.2: Built for Long-Horizon Tasks)
GLM-5.2 is available in coding agents including ZCode, Claude Code, OpenCode, and more. Z.ai 公式ブログ(GLM-5.2: Built for Long-Horizon Tasks)

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