生成AIの種類と選び方(比較の前に)
生成AIの主な種類と代表的なサービス
生成AIとは、文章や画像、音声、プログラムのコードなどを、指示(プロンプト)に応じて新しく作り出すAIのことです。ひとくちに生成AIといっても、得意な領域はサービスごとに分かれています。比較を始める前に、まず「何を作りたいのか」をはっきりさせると、見るべきサービスがぐっと絞り込めます。
生成AIとは?まず何ができるのかを押さえる
生成AIの中心にあるのが、文章を扱う対話型のAIです。質問に答える、文章を書く・要約する、調べものを手伝う、プログラムを書く、といった作業を1つの画面でこなせます。多くの人が「生成AI」と聞いて思い浮かべるChatGPTやGeminiは、この文章・対話タイプにあたります。 画像や動画、音楽を作るサービスは、この対話型とは別に専用のものが用意されています。
近年は、文章だけでなく画像や音声も同時に扱えること(マルチモーダルと呼びます)が当たり前になりつつあり、1つのサービスで文章も画像も生成できる場面が増えました。とはいえ、本格的な画像や動画、音楽の制作では、その用途に特化したサービスのほうが仕上がりや細かい調整で有利です。
生成AIの種類(テキスト・画像・動画・音声・コード)
生成AIは、作り出すものによって大きく5つに分けられます。上の図のとおり、テキスト(文章・対話)、画像、動画、音声・音楽、コードの5種類です。
- テキスト・対話:もっとも利用者が多い領域。調べもの、文章作成、要約、翻訳、プログラミング支援まで幅広くこなします。
- 画像生成:文章から絵やイラスト、写真風の画像を作ります。専用サービスのほか、対話AIの機能としても使えます。
- 動画生成:文章や画像から短い動画を作ります。まだ発展途上ですが、進化が速い領域です。
- 音声・音楽:文章の読み上げ(音声合成)や、歌詞入りの楽曲づくりに使います。
- コード生成:プログラムのコードを書いたり直したりする、開発者向けの支援ツールです。
この記事では、多くの人がまず必要とする「テキスト・対話」の主要サービスを中心に比較し、画像・動画などの専用ツールは用途別のおすすめとして後半でふれます。
生成AIの選び方(料金・日本語・使いやすさ)
どの生成AIを選ぶかは、次の観点で見比べると判断しやすくなります。とくに「料金」と「日本語での使い勝手」は、毎日使ううえで効いてくる部分です。
- 料金:無料でどこまで使えるか、有料プランは月いくらか。使う頻度が高いほど効いてきます。
- 日本語対応:日本語での回答の自然さ。主要サービスはいずれも高い水準です。
- 得意な作業:調べもの、長文の読み込み、コーディング、画像づくりなど、力点の違い。
- 既存ツールとの連携:GoogleやMicrosoftのサービスと組み合わせて使えるか。
- セキュリティ・データの扱い:入力した内容がAIの学習に使われるか、設定で止められるか。
主要生成AIサービスを比較【一覧表】
主要な生成AIサービスの一言ポジション
文章・対話の主要サービスは6つあります。まずは全体像を一覧表で比べてみます。料金や特徴の細かい違いは、表のあとで順に見ていきます。
| サービス | 提供元 | 無料プラン | 個人向け有料(月額) | 得意なこと | 日本語 |
|---|---|---|---|---|---|
| ChatGPT | OpenAI | あり | 1,400円〜 | 幅広い作業・画像・音声 | ◎ |
| Claude | Anthropic | あり | 20ドル〜 | 長文・コーディング | ◎ |
| Gemini | あり | 725円〜 | Google連携・長文 | ◎ | |
| Microsoft Copilot | Microsoft | あり | 2,130円〜 | Office文書の作成 | ◎ |
| Perplexity | Perplexity | あり | 20ドル〜 | 出典付きの調べもの | ◎ |
| Grok | xAI | あり | 有料(X連携) | リアルタイム情報 | ○ |
6サービスとも無料で始められ、日本語も高い水準で使えます。違いが出るのは「得意な作業」と「料金の体系」です。 以下では、性格の近い3つずつに分けて特徴を整理します。
ChatGPT・Claude・Gemini(文章と対話の定番3強)
ChatGPT は、もっとも利用者が多い定番の対話AIです。文章の作成から調べもの、画像や音声の生成まで幅広く1つでこなせるため、最初の1つとして選びやすい存在です。無料版でも新しいGPT-5.5 Instantを利用制限つきで使えます。使い方の全体像はChatGPT(GPT-5)の使い方ガイドでも解説しています。
無料版 ¥0 / 月 GPT-5.5 Instant の利用制限あり — 個人向けプラン「無料版」の説明より
Claude は、Anthropic が提供する対話AIで、長い文書の読み込みやコーディング、そして根拠のない断定を避ける誠実な応答に強みがあります。契約書や資料をまとめて読ませて要点を整理する、といった長文の作業ではとくに扱いやすいサービスです。 詳しくはClaude(claude.ai)の使い方ガイドをあわせてご覧ください。
Gemini は、Google が提供する対話AIです。GmailやGoogleドキュメントなどGoogleのサービスと組み合わせて使える点が特徴で、無料でも3.5 Flashなどのモデルを使えます。Google AI Plusにすると、無料版の2倍まで使えるようになります。
Google AI Plus ¥725 JPY / 月 無料版の 2 倍の使用量上限 — サブスクリプションプランの説明より
Microsoft Copilot・Perplexity・Grok(連携・検索に強い3サービス)
Microsoft Copilotは、WordやExcel、PowerPoint、Outlookといった日常のOffice文書の中で直接使えるAIです。無料のチャットもありますが、真価を発揮するのはMicrosoft 365の各プランに含まれるCopilotで、文書作成やデータ分析をその場で手伝ってくれます。なお、以前あった単体の「Copilot Pro」は新規販売を終了し、後継のMicrosoft 365 Premiumに統合されました。
Copilot Pro is no longer available for purchase; existing subscribers can continue using it until they cancel or support ends on August 1, 2026. — Copilot Pro の販売終了に関する説明より
Perplexityは、調べものに特化したAIです。回答に出典(引用元)が付くため、内容を確かめやすいのが強みです。有料のProでは、Gemini 3.1 ProやClaude Sonnet 4.6など複数のAIモデルを切り替えて使えます。1つのサービスの中で複数の最新モデルを使い分けたい人に向いています。
次の間で選択 Gemini 3.1 Pro、Sonar 2、Claude Sonnet 4.6 など — Pro プランで選べるAIモデルの説明より
Grok は、xAIが提供する対話AIで、X(旧Twitter)やWeb上のリアルタイムの情報に強いのが特徴です。無料でも試せて、上位のSuperGrokにすると利用上限が上がります。X Premium+の加入者もGrokを使えます。Grokの詳しい機能はGrok 4ガイドでも解説しています。
Free to try on the web and in the apps. Upgrade to SuperGrok for higher limits and multi-agent reasoning. — Grok の提供形態に関する説明より
生成AIの料金を比較【無料・有料・API】
円建てで公式表示されている主な個人向けプランの月額(2026年7月時点)
料金は「生成AI 料金」で調べる人がいちばん知りたい部分です。ここでは、無料でどこまで使えるか、有料プランはいくらか、そして開発者向けのAPI料金の3つに分けて整理します。ChatGPT・Gemini・Microsoft Copilotは日本円で料金が公式表示されており、Claude・Perplexityはドル建てです(円換算は為替で変わります)。
無料プランでどこまで使えるか
主要な6サービスはすべて無料プランがあり、日常のちょっとした調べものや文章づくりなら、無料のままでも十分に使えます。 ChatGPTの無料版は月額0円で新しいGPT-5.5 Instantを使え、Geminiも無料で3.5 Flashなどを利用できます。Perplexityは基本の検索が無制限、Grokもwebとアプリで試せます。
無料版の主な制限は、使えるメッセージ数や高性能モデルの利用回数、画像生成の回数などです。「毎日たくさん使う」「高性能モデルで精度を上げたい」「利用上限にすぐ届く」と感じたときが、有料プランを検討するタイミングです。
有料プランの料金(個人向け・月額)
有料プランは、月あたり数百円の手頃なものから、たくさん使う人向けの月1〜2万円台まで幅があります。各サービスの無料と有料の内容を早見表にまとめます。
| サービス | 無料でできること | 主な個人向け有料プラン(月額) |
|---|---|---|
| ChatGPT | GPT-5.5 Instantを上限つきで | Go 1,400円/Plus 3,000円/Pro 16,800円〜 |
| Claude | 標準モデルを上限つきで | Pro 20ドル(年払い17ドル)/Max 100ドル〜 |
| Gemini | 3.5 Flash・3.1 Pro(制限つき) | AI Plus 725円/AI Pro 2,900円/AI Ultra 14,500円〜 |
| Microsoft Copilot | Webでのチャット・画像作成 | 365 Personal 2,130円/Premium 3,200円 |
| Perplexity | 基本の検索は無制限 | Pro 20ドル(年払い17ドル)/Max 200ドル(年払い167ドル) |
| Grok | web・アプリで試用可 | SuperGrok(有料・X Premium+でも利用可) |
標準的な有料プランは、ChatGPT Plusが月額3,000円、Google AI Proが月額2,900円と、おおむね月3,000円前後に集まっています。より安く始めたいなら、Google AI Plus(月額725円)やChatGPT Go(月額1,400円)といった入門プランがあります。
Plus 高度な作業や生産性向上に最適 ¥3,000 / 月 GPT-5.5 Thinking による高度な推論 — 個人向けプラン「Plus」の説明より
Claudeは料金がドル建てで、Proが月20ドル(年払いなら月あたり17ドル)です。たくさん使う人向けのMaxは月100ドルからで、Proの利用量の5倍・20倍から選べます。
$17 Per month with annual subscription discount ($200 billed up front). $20 if billed monthly. ... From $100 Per month ... Choose 5x or 20x more usage than Pro — Pro プランと Max プランの価格・利用量の説明より
たくさん使う上位プランは、料金が一段上がります。ChatGPT Proは月額16,800円から、Google AI Ultraは月額14,500円から、Perplexity Maxは月200ドル(年払いなら月あたり167ドル)です。趣味や日常使いなら手頃なプランで十分で、上位プランが向くのは、仕事で1日中使う・長い資料を大量に扱うといった重い使い方をする場合です。
API・従量課金の料金(開発者向け)
ここからは、自分のアプリやプログラムに生成AIを組み込む「API(外部のプログラムから使う仕組み)」の料金です。ふだんチャットで使うだけの方は読み飛ばして問題ありません。
APIの料金は月額の定額ではなく、使った分だけ支払う従量課金です。単位は「トークン」と呼ばれる、文章を細かく区切った量で、入力と出力それぞれにトークン数に応じた料金がかかります。同じ会社のサービスでも、モデルの新しさや性能によって単価が変わるため、用途に合ったモデルを選ぶことがコストに直結します。 モデルごとの単価の違いや、料金を抑えるコツはClaude Opusの料金比較の記事で詳しく解説しています。
用途別のおすすめ生成AIと選び方
用途別のおすすめ(迷ったときの目安)
比較したうえで「結局どれを選べばいいのか」を、使い方ごとにはっきりさせます。状況で変わる部分もあるので、代表的なケースに分けて挙げます。
文章作成・調べもの・日常利用のおすすめ
はじめての1つとしては、ChatGPTの無料版がもっとも扱いやすい選択です。 文章づくりから調べもの、画像生成まで幅広く1つでこなせて、迷いにくいためです。Googleのサービスをよく使うなら、Geminiの無料版も同じくらい候補になります。まずは無料で使い比べ、物足りなくなったらChatGPT PlusかGoogle AI Proへ進む流れが無駄になりません。
調べものが多く、出典をきちんと確かめたい場合は、回答に引用元が付くPerplexityが向いています。最新のニュースやX(旧Twitter)の話題を追いたいなら、リアルタイム情報に強いGrokという選択もあります。
ビジネス・業務効率化のおすすめ
WordやExcelでの文書作成が仕事の中心なら、Microsoft 365(Copilot付き)が最短ルートです。 ふだん使うOfficeソフトの中でそのままAIを呼び出せるため、資料作成やデータ集計の手間を直接減らせます。
出典を明記した研究レポートの作成や視覚化機能を備えたデータ分析など、複雑なタスクを実行するAIエージェント — Microsoft 365 Premium の機能説明より
一方で、長い契約書や報告書を読み込ませて要点を整理する使い方なら、長文に強いClaudeが向きます。AIに長い資料を渡すときは、あらかじめMarkdown(マークダウン)という整った文書形式にしておくと、見出しや表の構造が保たれて読み取りの精度が上がります。
入力したテキストやファイルはお使いの環境内で処理され、sakuttoのサーバーに送信されません。社外秘の資料を扱うときも安心して整形できます。
画像・動画・音声・コード生成のおすすめ
文章以外を作りたいときは、専用のサービスが候補になります。対話AIの付属機能でも簡単な画像は作れますが、仕上がりや細かい調整では専用ツールが有利です。
- 画像:イラストや写真風の画像づくりならMidjourneyやAdobe Fireflyが定番です。手軽に済ませたいなら、ChatGPTやGeminiの画像機能でも十分な場面があります。
- 動画:文章や画像から短い動画を作るRunwayや、Geminiのプランに含まれるGoogle Veo(Flow)が使えます。なお、動画生成で知られたOpenAIのSoraは、2026年に個人向けの提供を終了しています。
- 音声・音楽:文章の読み上げならElevenLabs、歌詞入りの楽曲づくりならSunoが代表的です。
- コード:プログラミングを支援するGitHub CopilotやCursor、対話AIのClaudeがよく使われます。
The Sora web and app experiences were discontinued on April 26, 2026. — Sora の提供終了時期に関する説明より
迷ったときの結論(ケース別に断定)
最後に、迷ったときの結論をケース別にまとめます。まず1つだけ選ぶなら、幅広くこなせるChatGPTの無料版から始めるのが失敗の少ない選び方です。そこから、Office業務が中心ならMicrosoft 365、出典重視の調べものが多いならPerplexity、長文やコーディングが多いならClaudeへと、よく使う作業に合わせて足していくのが実際的です。
大切なのは「1つに決めきる」ことよりも、無料の範囲で2〜3個を試し、自分の作業に合うものを見つけることです。 生成AIは月ごとに料金や機能が変わりやすいので、契約前には各サービスの公式ページで最新のプランを確かめてから決めると安心です。
生成AIを比較して自分に合うものを選ぼう
生成AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Microsoft Copilot・Perplexity・Grokといった主要サービスが並び、どれも無料から試せます。料金は円建て公式表示ならGoogle AI Plusの月額725円が最も手頃で、標準的な有料プランは月3,000円前後、上位プランで月1〜2万円台というのが2026年7月時点の相場です。
選び方の結論はシンプルです。まずはChatGPTかGeminiの無料版で使い勝手を確かめ、Office業務ならCopilot、出典重視の調べものならPerplexity、長文やコーディングならClaudeを足していく。この順で試せば、自分の使い方に合った生成AIを、無駄なコストをかけずに選べます。画像や動画、音楽づくりが必要になったら、そのときに専用ツールを検討すれば十分です。



