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EU、AI生成コンテンツの表示義務を執行開始|透明性コードに190組織

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EU、AI生成コンテンツの表示義務を執行開始|透明性コードに190組織

AI生成コンテンツの表示義務と執行開始の中身

EU AI法の透明性義務とは、AIを使ったサービスの利用者に「これはAIによるものだ」と分かるようにさせる規定です。2026年8月2日、この規定の適用とAI法そのものの執行が同時に始まりました。条文に書かれているだけの義務が、当局に取り締まられる義務になった日です。

2026年8月2日から適用された3つの表示ルール

ルール対象求められること
AIだと告げるチャットボットなど対話型AI人間ではなくAIが応対していると利用者に伝える
ラベル表示ディープフェイク(AIで生成・編集した画像/動画/音声)作られたものだと分かる表示を付ける
機械可読マークAIが生成・改変したコンテンツ全般検知できる形の印を埋め込む

8月2日に始まった3つの表示ルール

欧州委員会が挙げた表示ルールは3つ。1つ目は、チャットボットをはじめとする対話型AIが、相手にしているのは人間ではなくAIだと利用者へ伝えること。2つ目は、AIで編集または生成した画像・動画・音声、いわゆるディープフェイクにラベルを付けること。3つ目は、AIが生成・改変したコンテンツに機械可読のマークを持たせて検知しやすくすることです。

狙いは、人をだましたり操ったりする余地を減らし、利用者が事情を分かったうえで選べるようにすることと位置づけられています。事業者側から見れば、義務がはっきりする分だけ守っていることを示す道筋も明確になります。適用スケジュール全体と高リスクAIの延期はEU AI法が8月2日に何を始めたかの解説記事で扱っています。

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From 2 August 2026, the European Commission’s AI Office, together with national authorities, will begin enforcing the Artificial Intelligence (AI) Act. / Under the new rules, chatbots and other interactive AI systems will have to tell users they are dealing with AI, not a human. Deepfakes (images, videos, or audio that have been edited or generated using AI) will have to be labelled. AI-generated or altered content will also have to carry machine-readable marks so it can be detected more easily. / The measures are intended to reduce deception and manipulation and help people make informed choices. They also give businesses clearer obligations and a practical way to show compliance. — 執行開始日、3つの表示ルール、および措置の狙いに関する記述より

行動規範の署名リストが同時に公表された

執行開始にあわせて、欧州委員会は「AI生成コンテンツの透明性に関する行動規範」に署名した組織の一覧を初めて公表しました。初回リストは180を超える組織。行動規範の解説ページでは2026年7月末時点で約190組織が署名したと記されています。2つの数字に幅がありますが、その差の理由は公表されていません。

行動規範はAI Officeが進行役となり、独立した専門家が多様な関係者を交えて作成しました。表示ルールを条文のまま各社が解釈するのではなく共通の実務手順に落とす、というのが狙いです。

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The Code of Practice on Transparency of AI-generated Content was drawn up by independent experts in a multi-stakeholder process facilitated by the AI Office. / By the end of July 2026, about 190 companies organisations have signed the code. — 行動規範の作成プロセスと署名組織数に関する記述より(原文の `about 190 companies organisations` は出典サイトの表記のまま)

透明性コードに署名すると何が変わるか

行動規範は第50条2項・4項・5項の義務に対応する実務手順をまとめたものです。署名しても義務が軽くなるわけではありません。変わるのは「守っていることをどう示すか」だけです。

行動規範の2部構成(署名対象と担当範囲)

セクション1
提供者向け — AI生成・改変コンテンツへの印付けと検知のルール
セクション2
利用者向け — ディープフェイクとAI生成・改変テキストのラベル表示のルール
付属ツール
利用者がラベル表示に使えるEU公式アイコン一式
署名後の場
実装の実務を共有する署名者タスクフォース

提供者向けと利用者向けの2部構成

行動規範は2つのセクションに分かれています。セクション1は提供者(作る側)向けで、AIが生成・改変したコンテンツへの印付けと検知の方法を定めます。セクション2は利用者(使う側)向けで、ディープフェイクやAIが生成・改変したテキストのラベル表示を扱います。作る側は印を埋め込み使う側は表示する、という役割分担がそのまま章立てになっています。

EUはあわせて、利用者がAI生成コンテンツのラベル表示に使えるアイコン一式も用意しました。署名した組織は実装の進め方を共有する署名者タスクフォースにも参加します。

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The Code of Practice on transparency of AI-generated content (PDF) has 2 sections : Section 1: Providers - Rules for marking and detection of AI-generated and manipulated content Section 2: Deployers - Rules for labelling of deepfakes and AI-generated and manipulated text / The EU has also created a set of icons that deployers of generative AI systems may use to label their AI-generated content. / Signatories to the code will also collaborate in the Signatory Taskforces, which will be set up to share practices and advance the implementation of the marking and labelling. — 行動規範の2セクション構成、ラベル表示用の公式アイコン、署名者タスクフォースに関する記述より

署名の効果は「適合の示し方」が決まること

欧州委員会とAI理事会(AI Board)は、この行動規範を透明性義務への適合を示すための妥当な任意ツールだと確認しています。肯定的な評価を受けたことで、署名した提供者・利用者は規範の措置に依拠して適合を示せるようになりました。事務的な負担が減り、全加盟国にまたがる予測可能性と法的な確実性が得られる、というのが委員会の説明です。

ただし署名しても第50条の要件が消えるわけではない点は明記されています。参加はあくまで任意で、透明性要件そのものは法的義務のまま残ります。

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It helps providers and deployers of generative AI systems to comply with the AI Act’s obligations for labelling and marking of AI-generated content – Article 50(2), (4) and (5) of the AI Act. Even though adherence to the code is voluntary, the transparency requirements under article 50 of the AI Act are legal obligations. The Commission and the AI Board have confirmed that the code is an adequate voluntary tool to demonstrate compliance with the AI Act transparency obligations. / Following a positive assessment of the code, all providers and deployers who sign it can rely on its measures to demonstrate compliance with the AI Act’s rules for labeling and detection of AI-generated content, deepfakes and certain text publications. This will reduce their administrative burden and give them predictability, legal certainty and trust across all Member States. — 対応する条項、任意参加と法的義務の関係、および署名の効果に関する記述より

署名しない場合は妥当性を自社で立証する

別の方法で義務を満たすことも認められています。ただしその場合は選んだ手段が妥当だと自社で示さなければなりません。判断は加盟国ごとの市場監視当局が個別に行うため、同じ実装でも国によって評価が割れる余地が残ります。EU全域で通用する共通の型を使うか、国ごとの判断に付き合うか。実質はその二択です。

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By contrast, providers and deployers that decide to comply through other means will have to demonstrate that those measures are adequate. This will be assessed individually by different market surveillance authorities. — 行動規範以外の手段で適合する場合の立証責任と、加盟国ごとの市場監視当局による個別評価に関する記述より

行動規範の本体はPDFで公開されていて分量もあります。必要な条項だけを正確に拾うなら、Markdownに変換してから読むほうが見出しや箇条書きの構造が保たれます。

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違反を申し立てる窓口と日本の事業者の確認点

執行の開始とあわせて、欧州委員会は違反を届け出るための窓口も案内しています。実務上効いてくるのは、取り締まる側の体制よりむしろ、外部から情報が入る経路が同時に整ったことです。

欧州委員会が案内している申立て・通報の窓口

窓口想定する利用者
AI法の苦情申立てツール違反を見つけた一般の利用者・団体
AI法の内部通報ツール事業者内部から通報する立場の人
川下提供者向けの苦情窓口汎用AIモデルを組み込んで提供する事業者

3つの窓口が同時に整った

欧州委員会は執行に関する案内の中で、AI法の苦情申立てツール、AI法の内部通報ツール、そして汎用AIモデルを組み込んで提供する事業者(川下提供者)向けの苦情窓口を並べて示しています。通報の経路が公式に用意された以上、当局が自ら見つけるのを待たずに違反が持ち込まれます。あわせてAI生成コンテンツの透明性に関するガイドラインや汎用AIモデルの提供者向けガイドラインも参照先に挙がっています。

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Read more about the Enforcement of the AI Act and the: AI Act complaints tool AI Act Whistleblower Tool Complaints channel for downstream providers using general-purpose AI models / Find more information about: Guidelines on Transparency of AI-generated Content General-Purpose AI (GPAI) Code of Practice Guidelines for providers of GPAI models Guidelines on prohibited AI practices — 執行に関する関連情報として案内されている窓口とガイドラインの一覧より

日本の事業者が最初に見る2点

EU向けにサービスを出している日本の事業者が、この段階で確認する価値が高いのは2点です。1つは自社が使っている生成AIの提供元が行動規範に署名しているか。署名していれば印付けの実装は提供元の側で共通の型に沿って進みます。もう1つは、自社がAI生成コンテンツを公開する立場(利用者)にあたる場合のラベル表示です。EU公式のアイコンがある以上、独自の表記を考えるより先にそちらを使えるかを見るほうが早く済みます。

高リスクAI義務の延期を含む制度全体の経緯はEU AI法オムニバスの解説記事にまとめています。

まとめ:見るべきは「提供元の署名」と「自社のラベル表示」

2026年8月2日、EU AI法は執行される規制になり、AI生成コンテンツの表示ルールが動き出しました。実務の足場になるのが約190組織の署名した行動規範で、提供者は印付け、利用者はラベル表示という2部構成で手順が定められています。署名は任意。ただし署名しなければ、代替手段の妥当性を各国当局に対して自社で立証することになります。EU向けに事業を持つなら、まず提供元が署名しているかを確かめる。自社が公開する側ならEU公式アイコンによるラベル表示から着手する。当面はそれで足ります。行動規範の本体PDFを読むときは、Markdownに整えてから該当箇所を拾うと条項番号を落とさずに済みます。

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よくある質問

Q. 行動規範に署名すれば、法的な義務は免除されますか?
免除されません。行動規範への参加はあくまで任意で、第50条の透明性要件そのものは法的義務として残ります。署名で変わるのは義務の有無ではなく、義務を守っていることの示し方です。
European Commission — Code of Practice on Transparency of AI-generated Content
Even though adherence to the code is voluntary, the transparency requirements under article 50 of the AI Act are legal obligations. European Commission — Code of Practice on Transparency of AI-generated Content
Q. 署名しないと違法になりますか?
違法にはなりません。ただし別の方法で義務を満たす場合は、その方法が妥当だと自社で示す必要があります。妥当かどうかは加盟国ごとの市場監視当局が個別に判断するため、国によって評価が割れる可能性があります。
European Commission — Code of Practice on Transparency of AI-generated Content
By contrast, providers and deployers that decide to comply through other means will have to demonstrate that those measures are adequate. This will be assessed individually by different market surveillance authorities. European Commission — Code of Practice on Transparency of AI-generated Content
Q. 署名している組織はどれくらいありますか?
欧州委員会は執行開始にあわせて、署名した180を超える組織の一覧を初めて公表しました。行動規範の解説ページでは、2026年7月末時点で約190の組織が署名したと記載されています。
European Commission — Commission starts enforcing AI Act rules and new transparency requirements on 2 August
The Commission published a first list of more than 180 organisations that have signed the Code of Practice on transparency of AI-generated content that operationalises the rules on transparency of AI-generated content. European Commission — Commission starts enforcing AI Act rules and new transparency requirements on 2 August

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