Grok 4.5とは(新モデルの概要)
Grok 4.5 の基本情報
まず、Grok 4.5 がどんなモデルなのかを押さえます。位置づけと、訓練のされ方に特徴があります。
Grok 4.5の位置づけ(コーディング特化)
Grok 4.5 とは、xAI が公開した最新のAIモデルです。コーディングやエージェント作業(AIが手順を分けて自動でこなす作業)、そして調べもの・資料づくりといった知的業務で高い性能を掲げています。xAI は Grok 4.5 を「これまでで最も強力なモデル」と位置づけています。
"Today, we're launching Grok 4.5, SpaceXAI's smartest model built to excel at coding, agentic tasks, and knowledge work. It's our strongest model ever and was trained alongside Cursor." — 発表冒頭より
なお、公式ページでは提供元が「SpaceXAI」と表記されていますが、フッターの著作権表記は「xAI Corp」です。本記事では会社名を xAI と呼びます。前世代からの流れは Grok 4 の解説 もあわせてご覧ください。
Cursorと共同で訓練された点
Grok 4.5 のもう一つの特徴は、AIコードエディタの Cursor と共同で訓練された点です。実際の開発現場で使われるツールと一緒に鍛えられているため、コーディングやエージェント作業といった実務寄りのタスクに強い、という狙いがうかがえます。訓練データは、コーディング・科学・工学・数学の知識にまたがるとされています。
Grok 4.5の性能(ベンチマーク)
DeepSWE 1.0 のスコア(pass@1・公式掲載値)
棒の長さは正答率(%)。数値は xAI 公式掲載のベンチマーク図より。競合値は各社の公表資料に基づくと注記されています。
Grok 4.5 の性能は、ソフトウェア開発系のベンチマークで測られています。ここは数値が多くなるため、開発に関わらない方は「効率と料金が強み」という結論だけ拾って読み進めても構いません。
エンジニアリング性能の実力
公式が示すベンチマークを見ると、Grok 4.5 はソフトウェア開発系のテストで主要モデルと互角以上の位置につけています。長時間のエージェント作業を測る SWE Marathon では首位、ターミナル操作の Terminal Bench 2.1 でも最上位に迫る一方、DeepSWE などでは中位につけており、常に単独トップというわけではありません。 ただし xAI は、実際のエンジニアリング作業では比較対象の主要モデルを上回る、と主張しています。
"With both intelligent and efficient reasoning, Grok 4.5 excels at real engineering tasks and exceeds comparable leading models at these tasks." — 性能の主張より
このモデルは、数万基の NVIDIA GB300 GPU を使い、大規模実行向けの訓練・安定化技術とともに訓練されたとされています。
"Grok 4.5 was trained across tens of thousands of NVIDIA GB300 GPUs, with training and stability techniques designed for large-scale runs." — 訓練について
速度とトークン効率
Grok 4.5 のいちばんの強みは、速度とトークン(AIが文章を処理する単位)効率です。応答は毎秒80トークンと速く、しかも同じ作業を解くのに使うトークンが少なくて済みます。公式によれば、Grok 4.5 は課題を平均15,954トークンで解き、これは Opus 4.8(最大設定)の67,020トークンの約4.2分の1にあたります。 トークンが少なければ、その分コストも時間も下がります。
"Grok 4.5 resolves tasks with 15,954 output tokens on average, about 4.2× fewer than Opus 4.8 (max) at 67,020" — トークン効率の図の説明より
"Grok 4.5 is served at fast-model speeds of 80 TPS. Combined with twice greater token efficiency than the latest leading models at the same tasks, the model delivers intelligent results to you more quickly and at far lower costs." — 速度と効率より
同じ料金でも、少ないトークンで済むほど実際の支払いは軽くなります。モデル同士のコスト感を比べるときの考え方は、Claude Opus のコスト比較 もあわせてご覧ください。
Grok 4.5の料金と使える場所
料金と提供状況
続いて、気になる料金と、実際にどこで使えるのかを確認します。
料金体系(100万トークンあたり)
Grok 4.5 の API(外部のプログラムから呼び出す仕組み)料金は、入力が100万トークンあたり2ドル、出力が100万トークンあたり6ドルです。さらに、同じ作業をより少ない手数・トークンで解けるため、表示料金以上に実際のコストを抑えやすいのが特徴です。
"Grok 4.5 is priced at $2 per million input tokens and $6 per million output tokens. The model also achieves roughly 2x the token efficiency of comparable leading models, solving tasks in under half the number of steps." — 料金より
使える場所(Grok Build・Cursor・API)
Grok 4.5 は、xAI のアプリ「Grok Build」では既定のモデルとして使え、AIコードエディタ Cursor では全プランで利用できます。開発者は xAI の API 経由でも呼び出せます。Grok Build は表計算やスライド、文書の作成もこなすとされ、コーディング以外の事務作業にも広がっています。前世代を含む Grok 全体の記事は Grok 関連記事の一覧 からたどれます。
Grok 4.5を使う際の注意点
提供状況の注意点
最後に、導入前に知っておきたい注意点を整理します。とくに地域による提供状況の差に気をつけたいところです。
EUではまだ使えない
見落としやすいのが、地域による制限です。公式は、Grok 4.5 が EU ではまだどの製品でも API でも提供されておらず、EU での提供は7月中旬を見込む、とはっきり注記しています。
"Note: Grok 4.5 is not yet available in the EU in any SpaceXAI products or the API console. EU availability is expected in mid-July." — 提供状況の注記より
導入前に確認したいこと
日本など EU 以外の地域については、公式に明確な記載がありません。そのため、実際に使う前には、自分の地域や利用中のプランで Grok 4.5 が選べるかを確認しておくのが安全です。総じて Grok 4.5 は、コスト効率よく大量のコーディングやエージェント作業をこなしたい開発者に向いた、料金と効率が光るモデルだといえます。同時期に出た他社の最新モデルと比べたいときは、Claude Opus 4.8 の解説 もあわせてご覧ください。
英語の公式ドキュメントを読み解くときは、ページを Markdown 形式に整えておくと、見出しやコードの構造が保たれて要点を追いやすくなります。Webページをそのまま整形したいときは、次のツールが役立ちます。



