ワインアプリは目的別に5つのタイプに分かれる
ワインアプリ選びでつまずくのは、機能の差が分かりにくいからではありません。そもそも目的の違うものが同じ「ワインアプリ」という名前で並んでいるためです。
この章の全体像
「評価を調べる」と「自分の記録を残す」は別のアプリ
ワインアプリの紹介記事の多くは、記録用と学習用の2つに分けています。ただしこの分け方だと、他の人の評価を調べるアプリと、自分が飲んだ記録を残すアプリが同じ枠に入ってしまいます。
この2つは使う場面がまったく違います。前者は店頭でボトルを手に取っている瞬間、後者は飲み終わったあとです。どの場面で困っているかを先に決めると、候補は一気に絞れます。
5つのタイプ
目的別5タイプの早見表
| タイプ | 使う場面 | 代表アプリ | 料金 | 日本語 |
|---|---|---|---|---|
| 評価・レビュー参照 | 買う前・注文する前 | Vivino | 無料+アプリ内課金 | ○ |
| 飲んだ記録 | 飲んだ後 | ワインダイアリー/ワインコレクションLite | 無料 | ○ |
| 在庫・棚位置管理 | 持っている分の把握 | Shelvin/CellarTracker | 無料枠あり | Shelvin○/CellarTracker× |
| 学習・資格対策 | 勉強するとき | VINOLET/ワインiQ | 無料枠あり/160円 | ○ |
| 購入・価格比較 | どこで買うか決めるとき | Wine-Searcher | 無料+アプリ内課金 | × |
自分がどのタイプかを見分ける
迷った場合は、直近で困った場面を思い出すと決まります。売り場でどれを買うか迷ったなら評価参照型、飲んだワインの名前を思い出せなかったなら記録型、家にあるはずのボトルが見つからなかったなら在庫管理型です。
目的別のおすすめワインアプリ
タイプごとに、代表的なアプリを公式情報とあわせて見ていきます。
この章で扱うアプリ
評価・レビューを調べる:Vivino
ラベルを撮影すると、その銘柄の評価やレビューが表示されます。売り場で「これは当たりか」を判断したいときの定番です。
6,500万人のユーザーに利用されているVivinoは、世界中の人々がワインを心ゆくまで楽しむことができる世界最大のワインアプリ、そしてワインショップです。
6,500万人のユーザーに利用されているVivinoは、世界中の人々がワインを心ゆくまで楽しむことができる世界最大のワインアプリ、そしてワインショップです。 — アプリ説明文の冒頭より
アプリは無料で、Vivino Premiumというアプリ内課金があります。日本語に対応し、iOSとAndroidの両方で使えます。評価を調べるところから購入まで1つで済ませたい場合に向きます。 使い方は「Vivinoの使い方|評価の読み方とセラー機能でできること」で詳しく扱っています。
飲んだ記録を残す:ワインダイアリー/ワインコレクションLite
飲んだ1本を、味わいや写真とともに自分の記録として残すタイプです。他の人の評価ではなく、自分の履歴が主役になります。
ワインダイアリーは無料で、対応言語は日本語です。ワインコレクションLiteは、テイスティングノートを主目的として掲げています。
ワイン通から初心者にも使いやすいテイスティングノート
ワイン通から初心者にも使いやすいテイスティングノート iPhoneのみ対応 — サブタイトルおよび対応機種の表記より
ワインコレクションLiteは対応機種の欄に「iPhoneのみ対応」と明記されています。Androidを使っている場合、日本製の記録アプリは選択肢が限られる点は先に確かめるところです。
在庫と棚の位置を管理する:Shelvin/CellarTracker
すでに持っているワインの本数と置き場所を把握するタイプです。買う前ではなく、買ったあとに効きます。
Shelvinは日本語に対応し、どの棚の何段目にあるかまで記録できます。
セラー登録と保管場所記録:複数のセラーを登録し、どのワインがどの棚(列/段)に保管されているかを視覚的に記録できます。
セラー登録と保管場所記録:複数のセラーを登録し、どのワインがどの棚(列/段)に保管されているかを視覚的に記録できます。 — グラフィカルなセラー管理の説明より
CellarTrackerは20年以上の実績があり、本数無制限で無料から使えます。ただし対応言語は英語のみです。在庫管理タイプは他のタイプと役割が重ならないため、評価アプリや記録アプリと併用しても無駄になりません。 各アプリの比較は「ワイン在庫管理アプリおすすめ比較|棚位置まで管理できるのは」、CellarTrackerの詳細は「CellarTrackerの使い方|日本語対応と料金、無料の範囲」であわせてご覧ください。
学習・資格対策:VINOLET/ワインiQ
ワインの知識を身につけたい、あるいは資格試験を受けるためのタイプです。手持ちのワインを記録する機能はありません。
VINOLETはソムリエ・ワインエキスパート試験の対策に特化しています。
ソムリエ・ワインエキスパート試験対策 12,000人が選んだ 一次・二次試験対策の決定版
ソムリエ・ワインエキスパート試験対策 12,000人が選んだ 一次・二次試験対策の決定版 — サイトのヘッドラインより
無料会員から始められ、一次試験対策コースなどの有料プランがあります。ワインiQはクイズ形式で知識を確かめられるアプリですが、こちらは160円の有料アプリです。
購入・価格比較:Wine-Searcher
その1本がどこでいくらで買えるかを調べるタイプです。世界中の販売店の価格を横断して比べられます。
Find, compare and buy wines using the world’s #1 wine resource.
Find, compare and buy wines using the world’s #1 wine resource. The Wine-Searcher app is a genius shortcut to your favorite wines, beers and spirits – wherever you are on earth. Just scan the label and find a wealth of info on 8 million wine offers from 55,000 merchants. — アプリ説明文の冒頭より
アプリ自体は無料で、Wine-Searcher PROというアプリ内課金があります。ただし日本語には対応していません。
選ぶ前に確かめたい3つの落とし穴
紹介記事を見て選ぶときに、実際とずれやすい点が3つあります。いずれもストアの掲載情報を見れば確かめられます。
確かめたい3点
「無料アプリ」として紹介されていても有料のものがある
ワインアプリのまとめ記事では、無料であることを見出しに掲げているものが多く見られます。ただし、そこに並ぶアプリのなかには有料のものが混ざっています。クイズ形式のワインiQは160円、ヴィンテージを調べるWine Vintagesは500円です。
¥500 · アプリ内購入
¥500 · アプリ内購入 — ページ上部の価格表示より
入れる前にストアの価格表示を見れば確かめられるため、紹介記事の「無料」という表記だけで判断しないほうが確実です。
日本語に対応していないアプリがある
日本語対応の有無は、App Storeの情報欄にある「言語」で分かります。Wine-Searcherの言語欄には日本語の記載がありません。
イタリア語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、英語
イタリア語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、英語 — アプリ情報欄の「言語」行より
CellarTrackerも同様で、言語欄の記載は英語のみです。紛らわしいのは、Google Playの説明文が日本語で表示される場合があることです。これはストアの紹介文が日本語というだけで、アプリの画面が日本語になるわけではありません。
定番アプリでも終了することがある
日本発のワイン記録アプリとして長く紹介されてきたVinica(ヴィニカ)は、すでにサービスを終えています。
『Vinica(Web サイト・スマートフォンアプリ)』は 2025年10月31日 をもちまして終了いたしました。
『Vinica(Web サイト・スマートフォンアプリ)』は 2025年10月31日 をもちまして終了いたしました。 — 公式のお知らせより
それでも複数のまとめ記事では現役のアプリとして紹介が残っているため、名前を見つけたらストアで配信されているかを確かめるのが確実です。 なお、記録アプリの後継としてどれを使うべきかは公式には案内されていません。
まとめ
ワインアプリは、評価を調べる・飲んだ記録を残す・在庫と棚位置を管理する・学習する・価格を比べる、という5つの目的に分かれます。機能の多さで選ぶより、自分が直近で困った場面がどれに当たるかで選ぶほうが、入れたあとに使い続けられます。
選ぶときに確かめたいのは、料金・日本語対応・提供状況の3点です。まとめ記事で「無料」とされていても有料のアプリがあり、Wine-SearcherやCellarTrackerのように日本語に対応していないものもあります。長く紹介されてきたVinicaのように、すでに終了しているアプリが記事に残っていることもあります。いずれもApp Storeの価格欄と言語欄を見れば、その場で確かめられます。
手持ちのワインが増えて、どこに何があるか分からなくなってきた場合は在庫管理タイプが合います。日本語で棚の位置まで記録でき、無料枠でも位置管理が使える Shelvin(App Store) から試すと、評価アプリとの役割の違いが分かりやすくなります。


