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ワインセラーの整理術|棚のゾーニングと位置の記録方法

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ワインセラーの整理術|棚のゾーニングと位置の記録方法

セラーが「どこに何があるか分からない」状態になる原因

整理の方法に入る前に、なぜ散らかるのかを押さえておくと、対策の順番を間違えません。原因はおおむね3つに絞られます。

セラーが散らかる3つの原因

詰め込みすぎ
公称本数まで入る前提で買い足すが、ボトルの形で実際に入る数は減る
積み上げ収納
棚のボトルの上に重ねると、下と奥が取り出せなくなる
基準のない配置
空いた場所へ入れるため、どこに何があるかが本人にも分からなくなる

公称本数どおりには入らない

カタログの収納本数は、細身のボルドータイプのボトルを基準に計算されているのが一般的です。

ワインセラーの収納可能本数は、ボルドータイプのボトルを基準にしているものが多いため、ブルゴーニュボトルやシャンパーニュボトルといった太いボトルを入れようと思うと、スペック通りに入らないケースが出てくるんです。

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ワインセラーの収納可能本数は、ボルドータイプのボトルを基準にしているものが多いため、ブルゴーニュボトルやシャンパーニュボトルといった太いボトルを入れようと思うと、スペック通りに入らないケースが出てくるんです。 — ワインセラー専門店のコラムより

肩の張ったブルゴーニュタイプやシャンパーニュのボトルが増えるほど、1段に並ぶ本数は減ります。整理の計画は、カタログの数字ではなく、実際に入れてみた本数を基準に立てるほうが現実に合います。

積み上げ収納は取り出しやすさと温度の両方を損なう

入りきらなくなると、棚のボトルの上にもう1本重ねたくなります。メーカーはこの収納方法の副作用をはっきり書いています。

ワインボトルの上に積み上げて収納すると、より多くのワインを収納できますが、ワインが取り出しにくくなるばかりか、適切な温度での保管も難しくなります。

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ワインボトルの上に積み上げて収納すると、より多くのワインを収納できますが、ワインが取り出しにくくなるばかりか、適切な温度での保管も難しくなります。 — 冷却効率を下げない収納本数かのチェック項目より

積み上げた下のボトルを取り出すには、上のボトルをいったん出すことになります。この一手間が面倒で「取り出しやすい手前のボトル」ばかり飲むようになり、奥と下が死蔵します。

買い増しのペースにセラーが追いついていない

そもそも容量に余裕がない状態では、どう並べても詰まります。メーカーはセラーを選ぶ段階で余裕を見ることを勧めています。

選ぶセラーの収納本数は、現在所有しているワインの1.5~2倍の本数を収納できるサイズを検討していただきたい。

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選ぶセラーの収納本数は、現在所有しているワインの1.5~2倍の本数を収納できるサイズを検討していただきたい。 — セラーのサイズ選びについて

すでに買ってしまったセラーで余裕を作るには、飲むペースを上げるか、置き場所を分けるかになります。満杯の状態を維持したまま整理だけで解決しようとすると、どこかで無理が出ます。

並べ方の基準を決める

散らかりの直接の原因は、基準がないまま空いた場所へ入れていることです。まず1つの軸を決めます。

並べ方の軸と、家庭用セラーでの向き不向き

飲み頃順
いつ開けるかで並べる。飲み逃しが減る。家庭用の第1軸に向く
タイプ別
赤・白・泡で分ける。分かりやすいが、飲み頃の管理はできない
温度帯別
2温度帯セラーでの上室・下室の使い分け。1温度のセラーでは使えない
産地・生産者別
本数が多いコレクション向け。数十本では分類が細かくなりすぎる
ヴィンテージ順
熟成を追う楽しみはあるが、取り出しやすさとは直結しない

家庭用セラーなら「いつ開けるか」を第1軸にする

20〜100本のセラーで起きる困りごとは、多くの場合「飲み頃を逃した」と「奥から出せない」の2つです。この2つに同時に効くのが、飲み頃、つまりいつ開けるかを軸にした並べ方です。

近いうちに開けるものを取り出しやすい段に、数年寝かせるものを動かさない段に置く。この分け方であれば、扉を開けたときに視界に入るのが「いま飲むべきボトル」になります。タイプ別や産地別は見た目が整う一方で、飲み頃の管理には効かないという弱点があります。

第2軸はボトルの形

飲み頃で段を決めたあと、同じ段の中での並びはボトルの形で調整します。太いボトルは棚板との間に余裕がある位置へ、マグナムなど規格外のサイズは棚を1段外して確保する、といった具合です。ブルゴーニュタイプのように胴の太いボトルは、向きを互い違いにすると1段に入る本数が増えます。

2温度帯のセラーを使っている場合

上下で温度を分けられるセラーなら、片方を保存温度、もう片方を飲み頃温度にする使い分けができます。メーカーの公式解説では、上室を保存温度にして白やスパークリングも一緒に保存し、下室で飲みごろ温度にする例が示されています。

保存温度(12℃~15℃)に設定した上室で、白ワイン・スパーリングワインと共に保存してもよいでしょう

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保存温度(12℃~15℃)に設定した上室で、白ワイン・スパーリングワインと共に保存してもよいでしょう — 2温度タイプのおすすめの使い方より

ただし、上下のどちらを高温側にするかは機種によって設計が異なります。同じメーカーの解説でも、記事によって上段と下段の割り当てが入れ替わっています。上下どちらが高温側かは思い込みで決めず、使っているセラーの取扱説明書で確かめるのが確実です。

棚をゾーンに分ける

軸が決まったら、段ごとに役割を割り当てます。ここまでやると、扉を開けたときにどこを見ればよいかが決まります。

段ごとの役割分担

デイリー段
いちばん取り出しやすい段。1〜2ヶ月以内に開けるボトルだけを置く
熟成段
数年動かさないボトル。奥や下の段でよい。澱を落ち着かせる意味でも動かさない
作業用の空き段
1段まるごと空けておく。入れ替えのときの一時置き場になる
別枠
ワイン以外を入れる場合は段を分けて離す

飲み頃温度に置くボトルは1ヶ月以内に飲み切る

デイリー段を飲み頃温度で運用する場合、そこに長く置いたままにしないという条件が付きます。

飲みごろ温度での保存は1ヶ月以内に留めることをおすすめします。

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飲みごろ温度での保存は1ヶ月以内に留めることをおすすめします。 — 飲みごろ温度での保存についての注意より

デイリー段には常に少数だけを置き、飲んだら熟成段から補充する。この回転が、飲み頃を逃さない仕組みそのものになります。 置ける本数を最初から絞っておくと、うっかり詰め込むこともなくなります。

1段まるごと空けておく

すべての段を埋めてしまうと、奥のボトルを取り出すときに置き場所がなく、床やテーブルにいったん出すことになります。この手間が整理を続かなくさせます。1段を空けておけば、入れ替えのときにそこへ仮置きできます。積み上げ収納を避けるうえでも、空き段は保険になります。

ワイン以外を入れるなら段を分ける

家庭用セラーは日本酒やビールの保管にも使われますが、においについては注意が必要です。

ワインはコルクを通じて空気を吸い込むことで熟成するため、チーズなど、においの強いものと一緒に保管するのは避けましょう。

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ワインはコルクを通じて空気を吸い込むことで熟成するため、チーズなど、においの強いものと一緒に保管するのは避けましょう。 — においについての注意(POINT 05)より

同居させる場合は、段を分けてできるだけ離すのが折り合いのつけ方になります。

照明は点けっぱなしにしない

見せる収納にしたくなるところですが、光はワインを劣化させます。メーカーの解説では、蛍光灯でも長期間さらされると味わいが変わると説明されています。

仮に蛍光灯であっても長期間の光にさらされたワインは果実味が薄くなり、酸味が際立つとされているため注意したい。

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仮に蛍光灯であっても長期間の光にさらされたワインは果実味が薄くなり、酸味が際立つとされているため注意したい。 — 光による影響についての説明より

庫内の照明は、探すときだけ点けて普段は消しておく運用が無難です。

棚の位置を記録して迷子にしない

ゾーニングまで済めば「だいたいどのあたり」までは分かります。最後に、1本ごとの位置を記録できると、扉を開ける回数そのものが減ります。

位置の記録方法の比較

紙のリスト
始めるのは早いが、入れ替えのたびに書き直すため続きにくい
表計算+クラウド
外出先のスマホからも確認でき、並べ替えもできる。更新は手作業
棚札・ボトルタグ
実物側に情報を持たせる。横置きでラベルが見えない問題に効く
位置管理アプリ
登録がその場で終わる。棚の配置を画面上で確認できる

座標の決め方

記録の前に、座標の付け方を決めます。段は上から数えて1、2、3、位置は左から数えて01、02、03。この2つを組み合わせて 2-05 と書けば、上から2段目の左から5本目を指します。数え方を紙に書いてセラーの扉に貼っておくと、家族が入れ替えても同じ規則で記録できます。

横置きで底を手前に向けて置くとラベルが見えなくなるため、棚札やタグを併用すると、扉を開けたときの確認が早くなります。

表計算ソフトで管理する

表計算ソフトに保管場所の列を作り、2-05 のような座標を入れていく方法があります。クラウドに置けば外出先でも確認でき、産地順や飲み頃順に並べ替えることもできます。エクセルでの管理表の作り方は「ワインの在庫管理をエクセルで作る方法|列の設計と限界」で詳しく扱っています。

弱点は更新が手作業になることです。飲んだあとにパソコンを開いて表を直す動作が続かないと、表と実物がずれていきます。記録の正確さより、更新が続くかどうかで方法を選ぶほうが失敗しません。

アプリで管理する

セラーの棚を画面上に再現して、どのワインがどの段にあるかを記録できるアプリもあります。

セラー登録と保管場所記録:複数のセラーを登録し、どのワインがどの棚(列/段)に保管されているかを視覚的に記録できます。

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セラー登録と保管場所記録:複数のセラーを登録し、どのワインがどの棚(列/段)に保管されているかを視覚的に記録できます。 — グラフィカルなセラー管理の説明より

スマホで完結するため、飲んだその場で在庫を落とせます。扉を開けずに中身を確認できれば、庫内の温度変化も抑えられます。なお、ワイン関連のアプリでも棚の位置まで記録できるものは限られており、評価を調べるアプリとは設計が異なります。アプリごとの違いは「ワイン在庫管理アプリおすすめ比較|棚位置まで管理できるのは」で比較しています。

まとめ

ワインセラーの整理は、詰め込みすぎと積み上げ収納をやめ、並べる基準を1つ決めるところから始まります。家庭用の20〜100本クラスであれば、「いつ開けるか」を第1軸にして、取り出しやすい段をデイリー段、動かさない段を熟成段、そして1段を作業用に空けておく。この3つの役割分担だけで、奥のボトルが死蔵する状態はほぼ解消します。

そのうえで1本ごとの位置を 2-05 のような座標で記録しておくと、探すために扉を何度も開ける必要がなくなります。表計算ソフトでもできますが、更新が続くかどうかが分かれ目です。飲んだその場で記録を終えられるかを基準に方法を選ぶと、記録と実物のずれが起きにくくなります。

棚の位置まで日本語で管理したい場合は、無料枠でも位置管理が使える Shelvin(App Store) から試すと、記録の手間がどこまで減るかが分かります。飲み頃そのものの考え方は「ワインの飲み頃とは?熟成の仕組みと今飲むか寝かせるかの見極め方」であわせてご覧ください。

よくある質問

Q. ワインセラーは公称の収納本数どおりに入りますか?
入らないことがあります。収納本数は細身のボルドータイプのボトルを基準に計算されているため、肩の張ったブルゴーニュタイプやシャンパーニュのボトルが多いと、公称より少ない本数で埋まります。整理の計画は、実際に入れてみた本数を基準に立てるほうが確実です。
ルフィエール公式コラム(ワインセラーの収納本数について)
ワインセラーの収納可能本数は、ボルドータイプのボトルを基準にしているものが多いため、ブルゴーニュボトルやシャンパーニュボトルといった太いボトルを入れようと思うと、スペック通りに入らないケースが出てくるんです。 ルフィエール公式コラム(ワインセラーの収納本数について)
Q. ワインセラーは満杯まで詰めても問題ありませんか?
棚の上に積み上げて詰め込むと、取り出しにくくなるだけでなく適切な温度での保管も難しくなるとメーカーが説明しています。整理の観点でも、1段ぶんを空けて入れ替え作業のスペースにしておくと、奥のボトルが死蔵しにくくなります。
さくら製作所 公式(ワインセラーの正しい選び方)
ワインボトルの上に積み上げて収納すると、より多くのワインを収納できますが、ワインが取り出しにくくなるばかりか、適切な温度での保管も難しくなります。 さくら製作所 公式(ワインセラーの正しい選び方)
Q. ワインは横に寝かせて保管するべきですか?
横置きが基本です。コルクを常にワインに触れさせて乾燥を防ぐためで、キリンの公式解説では底の部分を手前に向けることも合わせて挙げられています。底を手前にするとラベルが見えなくなるため、棚札やタグで銘柄が分かるようにしておくと探しやすくなります。
キリン公式(ワインアカデミー|ワインの最適保存テクニック)
必ず、ワインのボトルは横に寝かして保存しましょう。 キリン公式(ワインアカデミー|ワインの最適保存テクニック)
Q. ワインセラーの温度と湿度はどのくらいが目安ですか?
メーカーの公式解説では、保存温度は12〜15℃、湿度は60〜70%が目安として示されています。数値には各社で幅があり、さくら製作所は熟成に適した環境を12〜18℃、湿度は60%以上と説明しています。いずれも共通しているのは、絶対値そのものより温度変化の少なさが重要という点です。
フォルスタージャパン 公式コラム(ワインセラー活用術)
ワインの安定した保管には一定の適切な温度(12~15℃)と湿度(60~70%)が欠かせない フォルスタージャパン 公式コラム(ワインセラー活用術)
Q. 飲み頃の温度に設定した棚に、ずっと入れておいてもいいですか?
長く置く前提の温度帯ではありません。メーカーの公式解説では、飲みごろ温度での保存は1ヶ月以内にとどめることが勧められています。飲み頃温度のゾーンは常に少数だけ入れて回転させる運用にすると、この条件を守りやすくなります。
フォルスタージャパン 公式(ワインの飲み頃について)
飲みごろ温度での保存は1ヶ月以内に留めることをおすすめします。 フォルスタージャパン 公式(ワインの飲み頃について)
Q. ワインセラーにワイン以外のものを入れてもいいですか?
においの強いものと一緒に保管するのは避けるようメーカーが説明しています。ワインはコルクを通して空気を吸い込むため、においが移る可能性があるためです。どうしても一緒に入れる場合は、段を分けて離すのが現実的な折り合いのつけ方になります。
さくら製作所 公式(ワインの保管に必要なこと)
ワインはコルクを通じて空気を吸い込むことで熟成するため、チーズなど、においの強いものと一緒に保管するのは避けましょう。 さくら製作所 公式(ワインの保管に必要なこと)
Q. 棚のどの位置に入れたかは、どうやって記録すればいいですか?
段と位置の座標を決めて記録するのが基本です。表計算ソフトに保管場所の列を作る方法のほか、セラーの棚を画面上に再現して記録できるアプリを使う方法もあります。アプリの場合は登録がその場で終わるため、入れ替えのたびに更新する手間が小さくなります。
Shelvin — App Store 掲載文(グラフィカルなセラー管理)
セラー登録と保管場所記録:複数のセラーを登録し、どのワインがどの棚(列/段)に保管されているかを視覚的に記録できます。 Shelvin — App Store 掲載文(グラフィカルなセラー管理)

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